事例に学ぶ事業承継
わたしたちがこれまでにお手伝いをさせていただいた事例のご紹介をします。
業種 | 製造業 | 業務内容 | 発泡スチロール製品、梱包資材等 |
創業 | 昭和28年2月 | 従業員 | 26人(パート従業員含む) |
代表者年齢 | 64歳 | 地域 | 東三河 |
資本金 | 20,000千円 | 売上高 | 320,000千円 |
業種 | 製造業 |
業務内容 | 発泡スチロール製品、梱包資材等 |
創業 | 昭和28年2月 |
従業員 | 26人(パート従業員含む) |
代表者年齢 | 64歳 |
地域 | 東三河 |
資本金 | 20,000千円 |
売上高 | 320,000千円 |
1.事業継承に至った経緯
平成29年度に事業承継計画を策定したが、具体的な進展が見られない様子であったため、メインバンクである金融機関(信用金庫)からの依頼により事業承継相談を受けました。
相談内容は、5年後を目途に同社常務に経営を委ね、現社長ならびに副社長は会長ならびに副会長に就任し、しばらくは経営に関与する予定とのことでした。
2.事業承継における現状
株式の保有状況は、創業者の子息(死亡)の配偶者が15%、次女が80%と多くの株を保有しており、現社長は2.5%と少数に留まっていました。
そのため、株式を創業者一族が所有し、経営を従業員が承継する形となります。
3.事業承継に係る課題とその対応策
(1)株価算定
当面の方針として、旧社員および現社員が保有する2.5%の株式を後継者である常務が買い取ることとなりました。株価算定するにあたり、公認会計士を専門家として派遣して株式の評価を行いましたが、株式を譲渡とする相手が経営の一員としてなのか、投資家としてなのかによって評価方法が違ってくることから、参考価格として。あくまでも税務会計上妥当とされる範囲としました。
(2)所有と経営の分離
所有と経営の分離を図り、円滑に事業を継続するにあたり専門家である弁護士から助言を頂きました。弁護士からは種類株(配当優先株式)を活用することを提案して頂き、以下のステップで事業承継を進めることとしました。
①旧社員および現社員が保有する2.5%の株式を後継者である常務が購入する。購入金額については額面を少し上回る額で折衝する。
②定款を変更し、議決権株式1株を現社長が保有しその他は無議決権株式とする。
③登記の完了。
4.サブマネージャーの所感
「所有と経営の分離」スキームは経験のない案件でした。専門家派遣制度を活用し、各専門家が積極的に協力していただいたことが成功のポイントであると考えますが、確固とした社長の信念と、前向きに取り組む姿勢があったことが要因であったと思います。
円滑な事業承継を果たすには、「早期に着手する」、「計画的に取り組む」、「専門家の協力を得る」ことが必要であることを改めて認識させられた事案でした。